檜原村 移住体験等住宅

建設地
東京都西多摩郡檜原村
建物用途
長屋(3LDK/1LDK/1LDK)
構造規模
木造
階数
2階
建築面積
144.91㎡ / 43.83坪
延床面積
217.77㎡ / 65.87坪
業務内容
設計・監理
竣工
2025年2月

本計画は、檜原村への移住を検討する方が実際の暮らしを体験できる「移住体験住戸(3LDK)」と、定住のステップとなる「賃貸住戸(1LDK)」を組み合わせた長屋形式の住宅です。 「住まうことで地域の魅力を再発見する」をテーマに、地域資源である多摩産材を効果的に活用し、村の自然環境と共鳴する住環境の構築を目指しました。


計画の考え方:地域資源と「暮らしの質」の融合

檜原村の大きな魅力である林業文化を、単なる意匠(デザイン)としてではなく「暮らしの質」として体感できるよう設計の軸を据えました。 多摩産材の適切な活用と、木造架構を視覚化する設計手法により、日常の中で自然に木の温もりを感じられる空間を構成。過度な装飾を排し、構造そのものが持つ力強さを意匠へと昇華させています。


3LDK(移住体験住戸):素材の対比と調和

各居室および共用部には多摩産材の仕上げ材を採用し、梁を現し(あらわし)とすることで、構造体が空間の質を規定する構成としています。 木質空間特有の圧迫感を避けるため、仕上げの範囲や素材のバランスを緻密に調整。対照的に水廻りは白を基調とした清潔感のある設えとし、自然素材の豊かさと、生活施設としての高いメンテナンス性を両立させました。


1LDK(賃貸住戸):限られた空間における開放感の創出

LDKは屋根勾配を活かした勾配天井とし、ダイナミックな登り梁を現しにすることで、コンパクトな床面積ながらも縦方向の広がりを感じられる空間としました。 2階の寝室は天井高を抑えることで、隠れ家のような落ち着きのあるスケール感を創出。室内窓を通じてLDKの吹き抜けと視覚的につなげることで、住戸全体で木造架構の魅力を共有できる計画としています。


外観デザイン:風景に溶け込む「木の村」の佇まい

外観は周囲の山々や集落の景観を尊重し、白とグレーを基調とした落ち着きのある配色で構成しました。 アクセントとして採用した木目調のラップサイディングは、山間地域の風景に馴染みつつ、公共住宅としての端正な存在感を与えています。地域に穏やかに溶け込みながら、訪れる人を温かく迎え入れる「檜原村の玄関口」にふさわしい佇まいを目指しました。

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