谷保天満宮 (仮称)新参集殿 新築工事
継承と更新 ― 地域文化を未来へつなぐ参集殿
- 建設地
- 東京都国立市
- 建物用途
- 神社、寺院、教会その他これらに類するもの(神社)
- 構造規模
- 鉄骨造
- 階数
- 平屋
- 建築面積
- 180.00㎡ / 54.45坪
- 延床面積
- 180.00㎡ / 54.45坪
- 業務内容
- 設計・監理
- 竣工
- 2022年6月
歴史を繋ぎ、活動を支える拠点の建て替え
東日本最古の天満宮として知られる谷保天満宮。その境内にあり、長年地域活動の拠点となってきた「参集殿」の建て替え計画です。 1970年の建設から半世紀を経て老朽化が進んだことから、歴史ある神社の景観に配慮しつつ、現代の多様なニーズに応える施設へと更新することを目指しました。
伝統芸能を支える「柱のない大空間」の実現
設計にあたって最優先したのは、市指定無形民俗文化財である「谷保天満宮獅子舞」の練習場としての機能です。 ダイナミックな動きを伴う獅子舞の練習や、書道教室、地域集会など、多目的な利用に対応するため、あえて木造に限定せず軽量鉄骨造を選択しました。これにより、11m×10mという「柱のない一室空間」を確保。構造形式を柔軟に検討することで、伝統芸能の継承を力強く支える室内環境を実現しています。
記憶を紡ぐ:旧参集殿の彫刻を再配置
単に新しい建物を作るのではなく、かつての参集殿が刻んできた「記憶の継承」を意匠の核としています。 先代の建物で人々に親しまれてきた入口の門構えの柱彫刻や、繊細な欄間(らんま)彫刻を丁寧に抽出し、新参集殿へと再配置しました。
特に室内収納の扉上部に組み込まれた欄間は、空間に歴史の深みを与えるとともに、かつての面影をさりげなく伝えてくれます。建物が新しくなっても、訪れる人々が「時間の積層」を感じられるよう、随所に先代の欠片(かけら)を散りばめています。
誰もが使いやすく、開かれた地域拠点へ
機能面では、行事の際に欠かせない更衣室や給湯室を完備し、利便性を大幅に向上させました。 また、入口には緩やかなスロープを設け、境内の段差を解消。小さなお子様からご高齢の方まで、誰もが安心して集えるバリアフリーな環境を整えています。
結びに
本計画のテーマは、「構造や機能は現代的に更新し、文化と記憶は継承する」ことです。 歴史ある境内の風景に馴染みながら、これからの数十年、数百年と地域に根ざした活動を支え続ける。そんな参集殿の新しいあり方を形にしました。












